狭小住宅を建てるときの注意点について
狭小地の最大のメリットは都市の中心部でも土地取得費を安く抑えられることですが、都市部の土地には都市計画法で用途地域が定められていて、それぞれの地域によって建てられる建物の種類や用途、建ぺい率、容積率等が規定されています。その他にも、その土地にまつわる法令上の制限を把握しておかないと、思い描いた間取りの家が建てられないということもありますので注意が必要です。以下に主な注意点をご紹介します。
狭小住宅を建てるときの注意点
1.建ぺい率・容積率に注意
建ぺい率は、建築面積の敷地面積に対する割合で、建築面積を敷地面積で割った数値で表します。住宅地では建ぺい率の上限が30%~60%と低く、商業地では80%と高く設定されていることが多いです。二方向に道路がある角地では10%割り増しになることが多いので、狭小住宅を建てる場合は角地がお薦めです。 容積率は、延べ床面積の敷地面積に対する割合です。敷地の接する道路の幅によって容積率が変わってくるので注意が必要です。
2.道路斜線制限による建物の高さに注意
建物の敷地が接する道路の幅によって建てられる建物の高さに制限が設けられています。これが「道路斜線制限」で、住宅地の場合は、道路の反対側の境界線までの距離に1.25倍掛けた数値まで建物の高さが制限されます。敷地に余裕があれば、道路から建物までの距離を後退させることで、緩和される部分もあります。 道路斜線制限にかかる場合は、天空率という「周辺の採光空間をある程度確保できれば良い」という基準に則して計算すると、希望する建物の高さを実現できる場合もあります。土地を決める前に、一度、設計士に相談されることをお薦めします。
3.高さ制限・北側斜線制限に注意
第一種・第二種低層住居専用地域では建物の高さが10mまたは12mを超えてはならないと規定されています。さらに、南面道路の土地では建物の北側も隣地の日照権を確保するために「北側斜線制限」が規定されている場合があります。北側斜線制限があると、隣地との境界線上から敷地に向かって規定に従い斜線を引き、その斜線の中に北側の屋根部分の高さと勾配を収めなければならない場合があります。 したがって、高さ制限や北側斜線制限がある土地では屋根が低くなり、部屋の天井高を低くくしたり、部屋の面積自体を小さくしなければならないケースも出てきます。
4.隣地との距離・視線にも注意
狭小地では間口が狭いために、どうしても隣地との距離がさほどあけられない土地が多いです。しかし、第一種・第二種低層住居専用地域では建物の外壁から隣地境界線までの距離を1.5mまたは1m以上あけなければならない場合がありますので注意が必要です。また、境界線から1m未満の場所に隣地が見渡せる窓やベランダを造るときは目隠しを設ける必要があります。このように狭小地に住宅を建てるときは、隣地住人へのプライバシーにも配慮する必要があります。
5.準防火地域ではコスト高になる
準防火地域では防火サッシを取り付ける必要があり、サッシ代のコストが通常の2倍近くかかることもあります。さらに、木造3階建ての場合は準耐火仕様にしなければならず、断熱材や石膏ボード代も通常より割高になります。都市部の土地には準防火地域も多いので、購入される場合は建物のコスト高も念頭において計画を立てる必要があります。
6.資材の搬入やクレーン車両は入るか
狭小地では敷地が狭いので、工事中のクレーン車や生コン車両が駐車できるか調査しておく必要があります。敷地内に駐車できない場合は道路の使用許可を取ったり、近所に駐車場や資材置場を借りたりする必要があります。近所に空き地がない場合はその都度、搬入しなければならないので、その分コスト高になります。 その他にも隣地との距離が短いので、隣地に足場がかかる場合もあります。土地を取得される前に、協力いただけるか事前に確認しておくと安心して工事に着手できると思います。
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